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2024年11月になりました.10月27日の衆議院選挙では,皆さんはどこに投票されたでしょうか.自民党は247議席から191議席に減りました.国民民主党は7議席から28議席へと大きく伸びました.国民民主党は財政出動を唱えていましたが,残念な事に,玉木雄一郎代表は,次のように言っていました.「社会保障の保険料を下げるためには、われわれは高齢者医療、とくに終末期医療の見直しにも踏み込みました。尊厳死の法制化も含めて。こういったことも含め医療給付を抑え、若い人の社会保険料給付を抑えることが、消費を活性化して、つぎの好循環と賃金上昇を生み出すと思っています」と.
なぜこのような考えが出てくるのでしょうか.それは,日本にお金がないと思っているからです.
その理由は,このまま,国債発行が増えて,国民の資産(貯蓄)を超える時がくると,国債を購入してもらえなくなり,日本国は経済破綻する,と考えているからです.
でも,そんな事はおきません.多くの人々は,国が公共事業を行うときには,国債を国民に買ってもらって,そのお金で事業を行っていると思っています.国債を買うお金は国民から集めていると考えいるのです.
しかし,それは間違いです.日本の国は,政府が新規に発行した国債を直接日本銀行が引き受けて,お金(日銀券)を政府に渡すことを法律(財政法第5条)で禁じているため,財務省と日銀と一般銀行の間でちょっとしたやりとりが必要なのですが,結局は,国が発行した国債は新しく作られた銀行預金に形を変えて,一般の企業に支払われるようになっています.詳細を知りたい人はこちらをごらんください.
だから,国が国債を発行して事業を行うと,国民の手元には,お金が増えることになります.つまり,国が国債を発行すると,その金額分,民間の資産(貯蓄)が増加するので,民間貯蓄は,つねに国債発行残高より多くなります.これは,日本の経常収支が黒字である限り原理的にそうなります.
日本の国のお金は,日本国政府と日本銀行が作り出しています.お金である日本銀行券を日銀が発行するときの担保は,日本国債です.だから,日本の国のお金は基本的に国債が形を変えたものです.これは,イギリスもアメリカも同じです.
財務省が求めている財政の健全化で,政府の収支がプラスマイナスゼロと言う状態は,政府支出と税収が等しくなると言うことで,日本国に流通するお金が増えない状態です.プライマリーバランスの黒字化とは,国の財政が黒字になると言うことで,国民の間に流通しているお金の量が減少すると言うことになり,国民が貧乏になることを意味しています.
資本主義は年々歳々,経済の規模が大きくなることを前提としています.日本は緊縮財政を続けているので,給与が増えず,失われた30年になりました.
財政赤字を大きく拡大しているアメリカは,お金が潤沢に流れているので,経済発展してきました.ただ,このところ財政赤字つまり,米国債を発行しすぎたので,お金の流通量が増えすぎて,物価が上昇しています.
以上より,躍進した国民民主党の玉木代表は,金本位制が終了した後の管理通貨制度という現代資本主義の根本を理解していないらしいと言うことがわかり残念です.
世界中で日本のような緊縮財政を行っている国はありません.若者世代に国債発行による借金を残すな,というのは財務省のプロパガンダです.国債を発行して道路や橋を作り,災害対策を行い,建設機械を準備しておくことは,将来の若者達のためになります.いくらお金を握っていても,国全体に物資の供給力がなければ,災害に対する復興もできない国になります.
緊縮財政を唱える政治家を選ばないようにしましょう.
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