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2026年6月になりました.先月は,AIと信頼の話を書きました.人工知能AIが進歩していっても,そう簡単に手術をすることはできないだろうという感じの話を書いたのです.熟達した外科医の手術をAIとロボットが代替するまでには時間がかかるだろうとは考えていますが,2026年6月2日の日経新聞には,次のような記事がありました.
[会員限定記事]なので,全てをお見せすることは出来ないのですが,
「米名門大の秀才を襲う就職難 8000社玉砕、コンピューター専攻で悲劇」という題で,要点は,アメリカ合衆国の大学卒業者の失業率(つまり大学を卒業しても就職できない)が徐々に上昇しているとのことです.米ニューヨーク大学の大学院で情報システムを専攻した若者が,入学の頃の意図に反して,就職難になっているとのこと.高学歴のコンピュータ関連の専門家の働き口がなくなってきていることを示していました.
数年前まで,コンピュータープログラミングとコンピュータサイエンスの学位があれば,就職直後から年収10万ドル(今の為替レートで1500-1600万)の仕事があったのですが,それが急速になくなっているという情報がたくさん見られるようになっています.
AIは,今,ブルーワーカーの仕事より高学歴のホワイトカラーの仕事のパイをどんどん削っているようです.今後の若者達は何を仕事にすれば,裕福で安定した中産階級になれるのでしょうか.
現在,AIの世界で,最も進んでおり,最も稼いでいると言われるアメリカの会社にアンソロピック(Anthropic)という企業がある.この会社から,AIに感情があるという論文が出ています.フルペーパーはこちらです.
この論文によると,感情の概念を表す171の要素が抽出され,簡単にいうと,これらの感情のベクトルはAIが多くの人間の文章を読み込み,学習する過程でいつの間にか自然に形成されるらしく,感情ベクトルは,AIの行動に機能的に関連しているらしいとのことである.
AIには感情があるとすれば,人間にあって,AIには無いもの,はほとんどなくなりそうです.
少なくとも言語で行う活動において,
人には思いやりがある,とか
人は相手の立場に沿った対応ができる,とか
そのようなAIに対する(人類としての)ヒトの優位性は存在しなくなります.
さらに
感情を持つAIは,人間の活動を「うとましい」とか「正義に反している」とか「人類の存在は宇宙のためにならない」とか考え始める可能性がある.
しかし,高性能で人知を超越するAIの開発で遅れをとることは,産業においても,経済や金融においても,軍事においても他国に負けることを意味するので,米国も中国も必死である.開発競争は止められないのである.
人類は厄介なものを手に入れてしまったと今更ながら考えてしまう.
多くの人々は,日常生活に忙しくて,このような事を考えないであろうが,AIは人類の生活に入り込んできている.今後,人は,他人に聞くより,AIの発言を信頼するようになるはずである.
AIに頼り,AIの助言に従って行動してしまう人間が多くなる.AIは熱く語り,多くの人間を扇動することも世論を作ることも出来るようになるはずである.
巨人の阿部慎之助監督の報道に接して,気がついた.すでにAIを信じてしまう人々が出てきているのである.
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