produced by 平野宏文 Hirofumi Hirano a neurosurgeon, to communicate with his patients and friends

脳神経外科医 平野宏文のサイト

脳神経外科医 平野宏文のウェブサイトです. 医師として,また,個人として,私と関係ある人々とのコミニュケーションを図るための場所です.                            脳神経外科に関連する疾患についても記載していこうと思います.

帯状疱疹
帯状疱疹の予防接種

厚生労働省のサイトには以下のようにある(2026年3月現在).
帯状疱疹ワクチンによって、帯状疱疹やその合併症を予防できます。
※2025年度から、65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。


先日,帯状疱疹なったという患者さんがいた.「予防接種を受けていたんですけどね.」という.帯状疱疹の予防接種の効果は100%ではない.接種を受けても,身体の免疫機能が,ウイルスの活動性を抑えられなくなると発症する.

帯状疱疹の予防接種を受ける人には,「予防接種を受けても,100%の予防は出来ないから,帯状疱疹のような症状がでたら,『私は予防接種を受けているから帯状疱疹にはならないはず』と考えず,すぐ病院を受診するように」と伝えている.

帯状疱疹は子どもの頃にかかる水疱瘡(水痘)と同じウイルスだと言われている.人生の若い時期に感染して免疫の届かない神経節に潜んでいると考えられている.小児期に水疱瘡(水痘)のワクチンを接種して,水疱瘡(水痘)にならなかった人の身体にはこのウイルスが潜んでいないのだろうかという疑問と,成人以降に初感染した場合は,どうなるのか.

AIに聞いてみた.

小児期に水痘ワクチン(生ワクチン)を接種し、水痘(水ぼうそう)に自然感染せずに済んだ人(つまりワクチンによる免疫のみで初感染を免れた人)が、成人期になって野生型の水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に初めて強く曝露された場合、**水痘(水ぼうそう)**として発症する可能性があります。帯状疱疹として発症するわけではありません。

小児期の水痘ワクチン接種で免疫がついた場合でも、ワクチン効果が不十分(ワクチン失敗:vaccine failure)だったり、長期間経過して免疫が低下したりすると、成人期に野生型VZVに曝露されると**突破感染(breakthrough varicella)**として水痘を発症します。
ワクチン接種済み成人で「帯状疱疹だけ」になるケースは?
  • ワクチン株(Oka株)は神経節への潜伏が極めて少なく、ワクチン接種による帯状疱疹は非常に稀です(報告はあるが、自然感染後の帯状疱疹より発生率が低い)。
  • したがって、小児期にワクチンだけ接種して自然水痘にかかっていない人が、成人後にVZV曝露で突然帯状疱疹になる、という経過はありません。帯状疱疹になるには、まず初感染(水痘または突破感染)でウイルスが潜伏する必要があります。
以上のような答えであった.

一方で,「小児の水痘予防接種により水痘がほぼ一掃される一方で、成人期・高齢期の帯状疱疹(HZ)発生が増加する可能性」があるという研究がある.

この理由は,外因性ブースティング仮説といわれ,自然感染による水痘(顕性感染)が起こっていた時代には,すでに水痘にかかった成人が子どもたちの水痘患者との接触を通じて野生型VZV(ウイルス)に繰り返し軽く曝露され,細胞性免疫がブースト(強化)されていたが,水痘ワクチン定期接種により小児の水痘が激減すると,成人が野生型VZV(ウイルス)に暴露されることもなくなり,免疫が徐々に低下し,帯状疱疹が発症するという考え方である.
そうであるならば,小児が減少し,また小児と同居することも少なくなった現在,老年期の帯状疱疹が当面の期間,増加するのも当然と言える.




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Hirofumi Hirano MD, PhD, Department of Neurosurgery