IDH1 or IDH2 mutant かつ 1p/19q codeletion がない.
しばしば ATRX and/or TP53 mutation
CDKN2A (cyclin-dependent kinase inhibitor 2A)/CDKN2B (cyclin-dependent kinase inhibitor 2B)のHomozygous Deletionがあれば,grade 4
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(IDH1)およびIDH2のミスセンス変異がある
IDH1は主に細胞質に局在するのに対し,IDH2はミトコンドリアに局在する.
IDH1 Arg132(R132)変異
IDH2 R172変異,ならびにIDH2のR140変異
IDH1およびIDH2の変異はヘテロである.ホモで変異しているR123H/R123Hは活性がなくなる.IDH1およびIDH2の両方が共に変異した例も見つかっていない.いずれかのヘテロ変異のみで腫瘍化には十分である.
野生型IDH1/2タンパク質は,NADP+を補酵素に用い,イソクエン酸からα-ケトグルタル酸(αKG)を産生する.変異型IDH1/2は,αKG産生能を失う一方,NADPHを補酵素に用い,αKGからD2HGを産生する.
2-ヒドロキシグルタル酸はα-KG依存的ジオキシゲナーゼを阻害することにより、
PHD1の阻害を介してHIF-1を活性化し,HIF-1の活性化はTCA回路を抑制し解糖系を活性化させることにより、がん細胞に特有なWarburg効果(がん細胞が有酸素下でもミトコンドリアの酸化的リン酸化より解糖系でATPを産生する現象)を発揮させる.
さらに2HGはDNA脱メチル化酵素がα-KGを補因子として,脱メチル化するのを阻害するし,DNA hypermethylationを惹起し、癌化を促進させる.
2-ヒドロキシグルタル酸がαKGジオキシゲナーゼの(1)EGLNs, (2) P4HAs/PLODs, (3) TETs, および(4)KDMsを阻害する.
(1) EGLNs阻害の結果,HIF-1/2αタンパク質は安定化,
(2) P4HAs/PLODs阻害の結果,コラーゲンの成熟障害,
(3) TETs阻害の結果,シトシンの脱メチル化障害(5-メチルシトシンの増加・5-ヒドロキシメチルシトシンの減少),
(4) KDMs阻害の結果,ヒストンの脱メチル化障害(メチル化ヒストンの増加)をもたらす.
2HGのような,がんの発生・進展に直接的に寄与する代謝産物を「オンコメタボライト」と称する.
α-ケトグルタル酸は2-オキソグルタル酸(2OG)とも言われる
図1,図2は鹿児島県医師会報 図説脳神経外科「IDH遺伝子変異による腫瘍形成」より引用
しばしば ATRX and/or TP53 mutation
CDKN2A (cyclin-dependent kinase inhibitor 2A)/CDKN2B (cyclin-dependent kinase inhibitor 2B)のHomozygous Deletionがあれば,grade 4
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(IDH1)およびIDH2のミスセンス変異がある
IDH1は主に細胞質に局在するのに対し,IDH2はミトコンドリアに局在する.
IDH1 Arg132(R132)変異
IDH2 R172変異,ならびにIDH2のR140変異
IDH1およびIDH2の変異はヘテロである.ホモで変異しているR123H/R123Hは活性がなくなる.IDH1およびIDH2の両方が共に変異した例も見つかっていない.いずれかのヘテロ変異のみで腫瘍化には十分である.
野生型IDH1/2タンパク質は,NADP+を補酵素に用い,イソクエン酸からα-ケトグルタル酸(αKG)を産生する.変異型IDH1/2は,αKG産生能を失う一方,NADPHを補酵素に用い,αKGからD2HGを産生する.
2-ヒドロキシグルタル酸はα-KG依存的ジオキシゲナーゼを阻害することにより、
PHD1の阻害を介してHIF-1を活性化し,HIF-1の活性化はTCA回路を抑制し解糖系を活性化させることにより、がん細胞に特有なWarburg効果(がん細胞が有酸素下でもミトコンドリアの酸化的リン酸化より解糖系でATPを産生する現象)を発揮させる.
さらに2HGはDNA脱メチル化酵素がα-KGを補因子として,脱メチル化するのを阻害するし,DNA hypermethylationを惹起し、癌化を促進させる.
2-ヒドロキシグルタル酸がαKGジオキシゲナーゼの(1)EGLNs, (2) P4HAs/PLODs, (3) TETs, および(4)KDMsを阻害する.
(1) EGLNs阻害の結果,HIF-1/2αタンパク質は安定化,
(2) P4HAs/PLODs阻害の結果,コラーゲンの成熟障害,
(3) TETs阻害の結果,シトシンの脱メチル化障害(5-メチルシトシンの増加・5-ヒドロキシメチルシトシンの減少),
(4) KDMs阻害の結果,ヒストンの脱メチル化障害(メチル化ヒストンの増加)をもたらす.
2HGのような,がんの発生・進展に直接的に寄与する代謝産物を「オンコメタボライト」と称する.
α-ケトグルタル酸は2-オキソグルタル酸(2OG)とも言われる
図1,図2は鹿児島県医師会報 図説脳神経外科「IDH遺伝子変異による腫瘍形成」より引用
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